現在の闇金融
貸金業は登録制です。
店舗が一つの都道府県だけの場合は都道府県知事から、店舗が複数の都道府県にまたがる場合は財務局から、貸金業者としての登録を受けなければなりません(貸金業法三条一項)。
登録を申請するには、氏名・住所を明らかにする必要があります(貸金業法四条一項)。
犯罪行為をするために、わざわざ登録を申請するまでもないし、身元を明らかにすれば逮捕される危険もあります。そこで、貸金業者の登録を受けないで貸金業を営んでいました。
このようなモグリの高利貸しは、ロコミでの紹介など、人的なつながりをたどって顧客を集めていました。そのため、社会の表面上に現れ出て周囲を騒がせることも、あまり多くありませんでした。1990年代初め頃は、「○○企画」「○○総業」といった名前のモグリの高利貸しがポツン、ポツンといる、という印象でした。
現在見られる闇金融は、サラリーマン、主婦、自営業者などの一般人を対象に、広い範囲で多数の被害を生み出しており、かつてのモグリの高利貸しとは質的に違っています。
その質的な変化が起きたのは、1990年代の後半です。